三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2022年3月20日

ショッピングモールやネットショッピングの普及で、年々苦境に立たされるまちの商店街。
伊賀市の2つの商店街が力を合わせて伊賀の魅力を伝える新プロジェクトをスタート!
密になれないコロナ禍を逆手にとり、まちを百貨店にみたて、まちのあちらこちらのお店が会場となり、小さなマーケットや展示、体験会など様々な取り組みを開催します!
互いを繋げあい、歩いて楽しい、体験して楽しい、発見して新しいまちを提案する姿をご紹介します!

伊賀市に来ています。
今回ご紹介するのは『伊賀上野 まち百貨店』。
毎月第1土曜日を中心に開催しているんです。
商店街で、百貨店!? 
とっても気になりますよね!
いったい、どんな取り組みなんでしょう。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する中、伊賀上野銀座商店街、上野東町商店街の加盟店を中心に、2020年からスタートしたのが、『伊賀上野 まち百貨店』。
地域に密着した商店街を「百貨店」に見立て、毎月第1土曜日を中心に、各店がイベントを自主企画。お店の特徴を生かした催しや、限定商品の販売をしています。
大規模に人を集めず、地元の人が地域の魅力をPR。
再発見することで次へと繋げる取り組みです。

 

まずは紹介するのは、『伊賀上野銀座商店街』の理事長、そして『まち百貨店』の実行委員長を務める方のお店を、『鮮魚店フジヤマ』にお邪魔します。
もうお客さんがいらっしゃいますね!

 

『鮮魚店フジヤマ』では普段は、鮮魚一般や惣菜などを取り揃えて販売。
『まち百貨店』の日は限定で、『店主超オススメ酒アテ肴BOX』や店頭でのおでん販売などを行っています。

 

藤山さんに、この取り組みのきっかけをお聞きしました。

「今はスマホで簡単に物を買える時代になっています。
しかし、お客さんとの接客できる楽しさをみんなで共有したとい考えていたところ、コロナ禍となりました。
そんな中、多くの人手は望めないが、日常の賑わいを取り戻したいと検討を重ねていたところ、国の『GOTO商店街事業』に採択され、2020年11月から『まち百貨店』を開催することになりました。
『伊賀上野銀座商店街振興組合』と『上野東町商店街振興組合』の加盟店を中心に、各店舗が同じ日に個別に特色を活かした催しを行っています。
自主性を持って自分らたちで進めていく事業なので、店主同士で、今度は何する?こんなんやってみよう…と、非常に盛りあがっています」

 

『鮮魚店フジヤマ』の駐車場では、今まさにミニマーケット『フジヤマminima』を開催中!
お菓子や調味料、雑貨などが販売されています。
お天気にも恵まれて、本当に楽しそうですね。

 

そしてこの『まち百貨店』のプロデュース的な存在が、『タイナカオフィス』の對中剛大さん。

「『鮮魚店フジヤマ』のミニマーケットをはじめ、もともと各店舗でバラバラに開催されていた催しを同じ日に集めて集客、商店街全体の賑わいに繋げることを提案しました。
まずは月一回でも同じ日に開催して巡ってもらえるようにしませんか、というアイデアですね。
繋ぎ合わせることによって、賑わいが面的にひろがっていく。
ひとつの『まち』としての百貨店っていう見せ方が出来ると、初めて行くお店のきっかけになるし、お客さんも来やすくなります。
そして出店者さんも毎月同じことをするのではなく、その日の『限定』を出すことで、より魅力的なイベントになると思います。
参加店は共通のポスターや看板を設置し、参加店マップも作成。
開催情報はフェイスブックやインスタグラムで随時UPしていくことで、情報の新鮮さも感じられますよね。
あとはできる限り自力でやということを目指しています。
行政などに頼りすぎることなく、自力することで持続できることを目標としているので、一年一年、着実に成長していけるとよいなと思っています」

 

こちらは参加店舗の1店『サワノ楽器』。
楽器屋さんだけにギターがズラッと並び、CDやアナログレコードも置いています。

 

「こちらで体験できるのは『アナログレコード体験』です」

そう語るのは、澤野嘉男さん。

「今ではもう、レコードというものを知っていても、かけたことがないという人が多いので、実際にかけていただこうと。

 

「自分で針を置いて音が流れると、自分が演奏したかのような気分になりますね。
針を落とす瞬間のドキドキ感が懐かしいという方もいますし、小学生とか中学生の方たちは初めて体験する音楽のアイテムですので、針を落とすっていったらこう、本当にポトンと落とす人がいて、見ているこちらもドキドキする時があります」

と、澤野さん。
体験を機に、お店を覗いてくれる人が増えてお客さんが増えることを望んでいるそうです。

 

お次は『フラワーブティックこさか』。
お花屋さんですね。

「普段は普通にお花を売って、お客さんの依頼を受けたものを作ったりとか、お家に飾るためのお花を買いに来てくれるお客さんと接客したりしています。
花屋なので、金魚すくいではなく、お花をすくってもらい、気軽にお花を飾ってもらう一歩にしてほしいと思っています」

と、佐藤直美さん。

 

この日はこども店長のりんちゃんが、花すくい担当。

「横の繋がりが大事だなと思うので、町を活性化するために良いことだと思い参加しました。
コロナ禍で、外でできるイベントで、親子で楽しむことができること。
『まち百貨店』という名前の通り、自分のお店だけではなく、楽しめるお店がたくさんあるということを感じてほしいです」

と、佐藤さん。

 

こちらはレストランバー『クアトロ№4』。
お酒もたくさん並んでいて、素敵な雰囲気です。

「まちを活性化するのには横のつながりがとても大事です。
これまで飲食店同士ではつながりを作ってきましたが、お花屋さんや布団屋さんなど、異業種の方たちとのコミュニケーションがなかったので、違うお客さんを取り込めるという意味ではかなり手応えを感じます。
『伊賀』というまちに貢献してる気がして、とても楽しいです」

と語る稲垣孝志さん。

 

そんな『クアトロ№4』で、『まち百貨店』の日に提供しているのが、『丸の内ドッグ』2種。
『エビとアボカドマヨソース』750円と『白ソーセージとタマゴのトマトソース』750円。

『白ソーセージ』のドッグは、ソーセージが大きくて、プリッとしていてパンがふわっふわ!
とても美味しいです!
トマトソースとガーリックが効いていて、食欲をそそりますよ。

 

「行政が主導となって進めてきたこれまでのイベントとは違い、自分のお店で、そして自分の商売の延長で無理なく続けていけるというところが違います。
自主的に取り組んでいくものということで、運営にもみなさんとても深く携わって下さっています。
イベントとしてだけではなく、『毎月第1土曜日になったら城下町で何かやっている』というのが文化として根付いていってほしいという気持ちです」

と、『上野商工会議所』の岩野和鷹さん。

「まだ始まったばかりで、まだコロナ禍であるということもあります。
少しずつ、慌てずに、お客さん同士で、お客さんと我々店側で、そして店同士でという具合に、横のつながりを焦らずに深め、育てていく。
今はその途中ですので、みなさん方にもご協力していただきながら進めていきたいです」

と、『伊賀上野まち百貨店』実行委員長である『鮮魚フジヤマ』の藤山さん。

『伊賀上野 まち百貨店』、次回は2022年4月2日(土)に開催予定!
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